歪検出方式とは

WPC(Water Proof Checker)はその判定原理から、他方式にはない優れた技術的特徴を持っています。

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歪検出方式の基本構造

WPCの基本構造

(1)ワークの入る加圧カプセルを用意します。
(2)カプセル内にワークを入れます。
(3)カプセル内を加圧します。
(4)ワーク表面の歪を測定します。
(5)任意の圧力でバルブを閉じ、昇圧をストップします。
(6)ワーク表面の歪の変化を測定します。
上記の動作において、以下グラフのように判定を行います。

WPC判定原理

① ② ワークの周囲が加圧されると、ワーク内外の圧力差によりワークの表面が歪み(凹み)ます。
③ 大リーク(大きな洩れ)がある場合、この圧力差が生じないか短時間で同圧になるため、
  全く歪まないか短時間で大きく復元します。
④ 大リーク(大きな洩れ)が発見されなかった場合、一定の圧力で歪の変化を測定し、小リーク検出を行います。
⑤ 小リーク(小さな洩れ)がある場合は、徐々に内圧と外圧との圧力差が減少するため、歪量が復元していきます。
⑥ 小リーク(小さな洩れ)も発見されなかった場合、一定圧力での歪量は安定し復元しません。

WPCで判定可能なワークの条件

(1)ワークが加圧カプセル内に収納できる大きさであることが必要です。
(2)密閉構造であることが必要で、開放部がある場合は密閉する必要があります。
(3)形状が安定し、圧力を加えることにより歪を生じ、圧力低下により復元することが必要です。
(4)数~数十μm程度の歪を生じる圧力で、加圧に対し破損、損傷しないことが必要です。(※)
(5)測定部位は単室構造(1つの閉ざされた空間)であることが必要です。(※)
※ ワークの粘弾性(粘性・弾性・やわらかさ量)により、圧力が大気圧に開放されてから歪が復元する速度、
  過程と復元時間に差があります。1回目の測定において歪や復元を生じ判定可能でも、短時間での連続測定において、
  同じ判定結果とならない場合があります。

差圧方式の基本構造

差圧方式の基本構造

差圧方式は一定容積内に一定圧力を加えると、ワークに空気が流れ込むことにより加圧空間の容積が変わって圧力が変化することから、別名“容積検出方式”とも呼ばれています。実際の現場機として使用する場合、以下のような要素が判定ノイズとして現れます。
(1)ワーク投入時のカプセルの空間(容積)の

   バラツキ。(出来る限り小さくすることが望ましい)
(2)ワーク形状(容積)のバラツキ。
(3)加圧に伴うワーク形状(容積)の変化。
(4)ワークや周辺温度の変化による圧力変化。
(5)空圧回路の容積変化。
定量判定(洩れ量を数値的に規定して合否判定する場合)が可能な半面、これらのノイズが誤判定要因となる可能性があります。


※WPCではこれらの判定ノイズの影響を受けません。

差圧(容積検出)方式との比較

差圧方式は現在最もポピュラーな気密防水試験器として知られ、当社においても差圧式のリークテスターHEシリーズを各種製造・販売しております。
予め洩れの無いことが確認されたマスタワークと、洩れの検査を行うワークとに同圧力を加え、ワークに洩れがある場合は圧力差を生じることから洩れを判定します。また密閉物のように内部を直接加圧できない場合は加圧カプセル内にマスタとワークを入れ、カプセル内の圧力差により洩れを判定します。

差圧方式

・テストのためにワークを2つ用意する必要がある。
・マスタワークの管理(常に良品である事、等)が必要。

歪検出方式

・ワークを1つ用意すればテストが可能。
・ワークを水にぬらすことなくテストを行うことが可能。

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優れた性能・機能について歪検出方式と差圧方式の違い

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